なぜプロはサテライトをプレイするのか?

なぜプロはサテライトをプレイするのか?

熟練のプロにとっても、当サイトをここまで読み終えたあなたにとっても、本人なりのサテライトをプレイする理由というものがあるはずだ。だがサテライトをプレイすべき理由には、すでに意識している理由以外にも、おそらくあなた自身が考えたこともないものもあるのではないだろうか。サテライトをプレイすべき理由として一番分かりやすく、おそらく最初に来るものといえば、自分のバンクロールでは手が出せないようなイベントに、その何分の一かの費用で参加するチャンスであるということだろう。

ワールド・シリーズ・オプ・ポーカー(WSOP)やヨーロピアン・ポーカー・ツアー(EPT)への参加があなたにとって手の届かない夢の世界であるならば、それをつかむべストの道筋はオンラインで参加バッケージを勝ち取ることである。バイイン$10,000とかは無理でも$215なら出せるというのであれば、サテライトの腕前を発揮してその資金を上手く転がし、お目当てのイベントのシートを獲得できるかもしれないのである。

また、サテライトに出ることによって、自分の財布では手が出せないようなイベントに参加するチャンスが得られるだけでなく、サテライトを経ることでメンタルゲームの上でも優位性が得られる。あなたが手を伸ばそうとしているプライズプール(賞金総額)は自分の資金力では本来手を出せないレベルのものであり、自分としてはたった$215でこれに参加できているのだと考えることができるのである。だからストレスも軽くで済むであろう。

トーナメントの生死がかかった決断の場面でも、このニ度と経験できないかもしれない遠征を自分はたったの$215の費用でできているのだと思えれば、肩をすくめて、利益につながるようなリスクを受け入れることができるのである。当サイトでは今後、サテライトにおける正しいバンクロールマネジメント(これはあなたがプロかアマチュアかで違ったものとなる)についても探求していくが、とりあえずここではあなたは自分が負けて無くなっても困らない金でプレイしているものという前提で話を進める。

ライブイベントへのサテライトパッケージには現地への交通費やお小遣いが含まれていたり、サテライト通過者限定のイベント、ディナーや親睦会、現地ツアーなどがトーナメント以外の時間に組まれていたりすることがよくある。そういうのがあれば、サテライトを通過すれば早飛びしたとしても少なくとも休暇旅行はエンジョイできる。またオンラインポーカールームの中には、同じサテライト通過者の間で最後までトーナメントに生き延びた参加者に対して「生き残り」プロモーションを開いているところがあり、特別なプライズが設けられていたりもする。

クリス・マネーメイカーがまだアマチュアプレイヤーだったころにWSOPのメインイベントで優勝した話は有名だが、彼はそれを$86のサテライトで勝つところから始めている。サテライトを通過した上で本戦に参加し、バイイン$86のトーナメントではあり得ないような$2.5ミリオンという賞金を勝ち取ったのである(彼のこのシンデレラストーリーは検索して追いかけてみるだけの価値がある。何しろ彼はそのトーナメントをサテライトだと知らずに参加したのである)。

サテライトにはそこから首尾よく勝ち上がれば莫大なプライズを手にできるチャンスがあるのだ。

一流はどこが違うのか?

一流はどこが違うのか?

その人の知性は、答えではなく質問ではかられる ー ピエール・マルク・ガストン

世界一流のパフォーマーは、別に「超能力」の持ち主ではない。彼らか作り上げた自分用のルールが、現実を曲げることを可能にしており、あまりにもうまくいっているのでそう見えるのかもしれない。だが、それは彼らが学んだ能力であり、あなたにも学べるはずな
のだ。こうした「ルール」は、風変わりな習慣やスケールか大きい質問であることが多い。

驚くほど多くの場合、その。パワーの源は荒唐無稽さにある。質問が荒唐無稽で「不可能」であるほど、回答は深いものになる。たとえば、シリアルビリオネア(連続億万長者)のピーター・ティールは、自分にも自分以外の人にも、よくこんな質問をする。

「(ある目標を達成するために10年計画を立てている場合)なぜ6カ月ではできないんだ?」

分かりやすくするために、こう言い換えてもいいかもしれない。

「あなたが10年かけて達成しようとしている目標を、今後6カ月で達成しなければならなくなった(頭には拳銃が突きつけられており、ほかに選択肢はない)。どうやって達成する?」

ここで、いったんポーズボタンを押そう。私があなたに期待しているのは、この質問について10秒間考え、その後、10年かける価値がある夢を今後数カ月間で魔法のように実現することだろうか?いや、そんなことは期待していない。しかし、この問いかけがあなたの思い込みを生産的なかたちで壊し、チョウがサナギから成虫になるように、あなたが古い殻を破り、新しい可能性とともに現れてくれればいい、とは思っている。

これまでに身につけた「普通の」やり方や、自分に課している社会的規範、スタンダードな枠組みは、この手の質問に答えるときには役に立たない。古い皮膚が不要になるように、既成の制約は捨て去らざるを得ないはずだ。そうすれば、自分の抱えた現実には、ずっと再交渉の余地かあったのだと気づくだろう。その後はただ練習あるのみだ。

私からのおすすめは、当サイトを読んでいてもっともくだらないと思った質問について、ある程度の時間をかけて考えてみることだ。30分間の「モーニングジャーナル」を行うことで、あなたの人生は変わるかもしれない。

世界は宝の山のようなものだ。しかし、埋もれた宝を見つけるには、自分から出かけていき、他人の頭の中をせっせと掘る必要がある。そのとき、質問はあなたのつるはしになる。競争上の強みになる。そういう意味において、当サイトでこれまでに学んだ内容、そしてこれから学ぶ内容は、さまざまな「武器」を満載した武器庫になるはずだ。

実践編:テルを活用する

実践編:テルを活用する

私がポーカーをプレイする時は相手を注意深く観察するようにしている。弱いハンドを持っている時はどんな風に振る舞っているか、強いハンドの時はどうか、どんなことを話すのか、座る姿勢はどうか、どこを見ているか、べットする時にチップをどう置くか、その他の傾向がないか。数年経つと、私は自分が思っていた以上に、平均的なプレイヤーのテルを読み取ることがとても上手くなっていた。そうは言っても決して私が全てのハンドにおいて「相手の心を読める」プレイヤーであるということではない。時々、一度のセッションで数回、相手の振る舞いから他のどのハンドよりもあるハンドの可能性を強く意識できる状況があるということだ。

いくつかのテルは無知、もしくは怠惰からくる。多くのプレイヤーは自分が注意深く観察されているということを知らず、結果として多くの情報を相手に与えてしまっている。ハンドが弱い時にはホールカードをじっと見つめているだろうし、明らかにフォールドする、コールする、あるいはべットするという意思を周りに見せてしまっているだろう。弱いハンドの時は間を空けずにコールしたり、ビッグハンドの時はすぐにべットするといった、べットタイミングのテルが目立ったろう。このような類のテルは、感情が関係しているというよりは、自らの行動パターンの”バランス”を取ろうとしない結果として現れる。

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実践編:$1-2ライブゲームを攻略する ~ プリフロップ戦略

実践編:$1-2ライブゲームを攻略する ~ プリフロップ戦略

シンプルで効果的なプリフロップ戦略の主な目標は、多くのハンドをプレイしすきてしまうのを防ぐことだ。結局我々は、相手がくれるお金を奪うのに役立つハンドをプレイしたい。それ以外の全てのハンドは避けたいのだ。

プリフロップのハンド選びで、多くのプレイヤーが犯す最初の間違いは、フロップで超強力な手を作れる、あらゆる状況を想像してしまうことである。それゆえ彼らはK♥を、ハートのフラッシュを作るか、Kと7のペアを作る、あるいは7のトリップスを作る可能性がある、といった理由でプレイしてしまうのである。

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ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ オンライントーナメント編

ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ オンライントーナメント編

オンライントーナメントは興味深い選択肢だ。全てのオンラインプレイはライブプレイよりも熾烈なものたが、オンライントーナメントはどちらかといえば、キャッシュゲームよりも甘く、潜在的に収益性がより高いものとなる傾向がある。

オンライントーナメントには一つの大きな利点がある。安いトーナメントを大量にプレイできる点だ。参加費11ドルや22ドルのトーナメントを、一日に100以上もプレイする人たちを知っている。

私の考えでは、オンラインで利益を出したいのなら、キャッシュゲームと比へて、トーナメントの方がよほど簡単な方法だ。正確なショートスタックプレイや、賞金額の影響の正確な見積もりといった、トーナメントに特有なスキルは、オンライントーナメントにおいて特に顕在化する。

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ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ ライブトーナメント編

ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ ライブトーナメント編

多くの人がトーナメントについて、キャッシュゲームとは根本的に異なるものであると考えているのではないだろうか。私はこういった評価には賛成できない。これら二つの形式は、大多数が考えているよりもずっと、共通点を多く持っている。トーナメントに対する特別な知識を多く持ち合わせていなくても、強いキャッシュゲームプレイヤーは、世界大会のメインイベントのような大人数、高額参加費のトーナメントであっても、結果を残せるのだ。

同時にトーナメントとキャッシュゲームは、単に同じコインの表と裏というたけではない。私は二つの大きな違いがあると考えている。トーナメントでは、5、10、20bbといったショートスタックでしばしば戦うことになるが、一方キャッシュゲームではこうしたスタックサイズでプレイすることが滅多にない。

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ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ オンラインキャッシュゲーム編

ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ オンラインキャッシュゲーム編

オンラインノーリミットホールデムは、マイクロステークスである$0.01ー0.02からはじまり、S25ー50やそれ以上までに及ぶものとなっている。オンラインとライブゲームの二つのルールが似ているとはいっても、これらを取り巻くエコシステム(生態系)は多くの点で異なるものとなっている。

ライブゲームでは、多くのシートがアマチュアプレイヤーで占められ、彼らはそこそこの額を負けてくれるし、その損失を自身の別の収入によって賄っている。一方オンラインの世界はそれとは異なり、はるかに食うか食われるかの世界だ。例えはあなたが、ポーカースターズのようなメジャーな国際的オンラインサイトで、$5ー10のゲームをプレイする場合、そこにいる大部分のプレイヤーはシリアスでプロレベルのプレイヤーであり、彼らは小さいゲームから始め、そこで十分にこつこつと勝ちを積み上げて、$5ー10にたどり着いたプレイヤーばかりだ。こうしたプロたちは、アマチュアプレイヤーが時折、自身のいるゲームに迷い込んでくるのを望む一方、他のプロが犯すミスから得られる、1ハンドあたりでは僅かな利益を収入の当てにしているのだ。

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ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ ライブキャッシュゲーム編

ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ ライブキャッシュゲーム編

ライブキャッシュゲームは世界中のカジノやカードルームでプレイされている。ホームゲーム(誰かの家で家族や友人同士で行われるようなゲーム)は独特だし、私にとって経験が不足していることもあり、お話しする対象としては除外することとしよう。

ライブキャッシュゲームのステークス(レート)は、ブラインドの額で決められている。広く浸透している最小のゲームは$1ー2であり、これはSBが1ドル、BBが2ドルとなるゲームである。他に広くプレイされているブラインドは、1ー3、2ー3、2ー5、3ー5、5ー5、5ー10、10ー20や、10ー25といったものがある。

おおよそ、BB(ビッグプラインド)のサイズによってゲームを分類することができるだろう。2ドルや3ドル程度のBBのゲームは、米国で最も一般的にプレイされているステークスだ。そしてその次に5ドルブラインドである。多くの都市では、10ドル以上の高いBBのゲームはほんのわずかなテーブルでしか行われていない。

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ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ はじめに

ポーカー経済を制する者がポーカーを制す ~ はじめに

ポーカー経済について、いくつかお話ししよう。ノーリミットホールデムというゲームの目標は、お金を稼ぐことだ。日々の勝ち負けに振り回されてはならないが、長期的にはお金を稼ぐのが目的であることに疑いの余地はない。

長期的な勝ち組となるには、ノーリミットホールデムのシステム全体でどのようにお金が動いているかを理解する必要がある。システムにどのようにお金が入ってきて、それらが飛び交い、どこにたどり着いて終わるのか、ということだ。一貫して勝てるプレイヤーとは、自分に向かってお金が入ってきて、長期的にそれを蓄積することのできる存在として、ノーリミットホールデムのシステムの中に居続けられるプレイヤーである。

お金は彼らのもとに集まり、そして彼らから流れ出る。しかし出ていくよりも入ってくる額の方が大きい状況を維持できるのが、彼ら勝者なのである。これには、二つのコツがある。一つ目は、ノーリミットホールデムのシステムの中で自分が優位となれるような適切な居場所を見つけること。ニつ目は、あなたが、お金を差し出す側より集める側になるために、ゲームスキルを向上させるということだ。

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